
今回SSSは、emptyvesselの創業者であり、ビデオゲーム開発者であるEmanuel Palalic氏にインタビューを行いました。Emanuel氏は2025年3月に渋谷スタートアップビザ取得後に来日し、東京で新しいスタジオを立ち上げています。今回は、日本での起業やローカルコミュニティとの関わり、そして外国人起業家としての経験についてお話しを伺いました。


1. ご自身とご自身のスタートアップについて簡単にご紹介いただけますか?
もちろんです。emptyvesselは友人たちとの夢のプロジェクトで、長年温めてきた構想です。私と友人が一緒にこのゲームのアイデアを考えました。私たちはどちらも大手スタジオでの経験がありますが、当時は「もっと違うアプローチができるのでは」と感じていました。特に、アートやチームのクリエイティブな側面をもっと重視するスタジオをつくりたいと思ったのです。私たちはビデオゲームを開発しており、現在はデビュー作となる『Defect』に取り組んでいます。昨年8月に発表して以来、非常に面白い道のりを歩んでいます。
現在、正社員17名、契約社員26名のチームで、チームは急速に拡大しています。今後は日本での開発体制を強化し、東京、そして将来的には京都でも採用を検討しています。

2. 渋谷スタートアップビザに応募し、日本に来ようと思った動機は何ですか?
私は仕事とプライベートのために何度か東京を訪れた後、2025年3月に日本へ移住しました。当時は資金調達のためアジアとヨーロッパを頻繁に行き来しており、日本が自然と重要な拠点となっていました。最大の動機は、現地のクリエイティブコミュニティと繋がる機会を得られることでした。ファッションデザイナーからミュージシャン、ビジュアルアーティストに至るまで、その多様性と情熱に感銘を受けました。ここで目にした作品には強い独創性と深みがあり、それが大きなインスピレーションを与えてくれます。
サイバーパンクの世界に、主流とは異なる価値観や創造性を追求するいわゆるオルタナティブカルチャーの要素を取り入れた我々のゲームにとって、こうしたクリエイティブコミュニティは親和性が高いと感じています。ゲーム内での音楽、デザイナーとの限定アイテム制作、アニメーションスタジオとのプロモーションなど、さまざまな協業の可能性に胸を躍らせています。
最終的に、日本、そして渋谷に惹かれたのは、こうしたローカルコミュニティのエネルギーと創造性でした。こうしたコラボレーションが我々のプロジェクトに真の価値をもたらすと信じています。

3. 日本に来てから約3ヶ月が経ちましたが、これまでの経験はいかがですか?
とても刺激的なスタートになっています。東京に滞在し始めてからの最初の印象の一つは気候です。テキサス州オースティンから来た私にとって、東京は湿度のためさらに暑く感じられ、慣れるのに時間がかかりました。
それ以上に驚かされたのは、ここにあるクリエイティブコミュニティのレベルの高さです。出会ったアーティストやミュージシャンは、作品に深い考察と研究を重ねており、完成度も非常に高いと感じます。他の都市と比べても、彼らのアイデアは多様で独創性に富んでいて、新しいゲームやIPを構築する者にとって刺激的です。また、ポップアップイベントなどローカルなマーケティング手法が多く見られ、これは今後ぜひもっと学びたい分野です。
ネットワーキングの面でも、ゲーム、音楽、映画、写真など様々な分野の人々と、紹介やイベントを通じて出会うことができました。東京ゲームショウ期間中に渋谷で自ら交流会を主催し、開発者、アーティスト、投資家、その他のクリエイターを集めたこともあります。開発者、アーティスト、投資家など、さまざまなクリエイターが集い、新しいコラボレーションやプロジェクトが生まれるきっかけの場になればという想いから自ら企画しました。
3月に日本に移住して以来、日本での日々は新しい発見と出会いに満ちています。これまで訪れたどの都市よりも、東京のクリエイティブシーンは多様でユニークだと感じています。
4. 日本に拠点を置く中での短期的な目標を教えてください。
まずは、より直接的に日本の市場やコミュニティと関わることです。たとえば「Growth Hub」で開催されるマーケティング戦略関連のセッションに参加するなど、日本市場の理解を深めたいと考えています。また、現地のベンチャーシーンにもっと詳しくなりたいです。個人投資家や投資家と繋がりのある方々には何人かお会いしていますが、日本のベンチャーコミュニティ全体についてはまだ詳しくありません。もう一つの目標は、任天堂やソニーなどの大手企業の日本チームと関係を築くことです。アメリカチームとは既に良好な関係を築いていますが、日本チームの方々と会う機会はほとんどありませんでした。ビジネス開発の観点から、こうした関係構築がとても重要だと考えています。同時に、日本でこうした専門的な繋がりを築く際に必要な日本ならではのマナーや文化的なニュアンスをより深く理解したいと考えています。

5. スタートアップビザの申請や日本進出を考えている方へ、何かアドバイスや意見はありますか?
日本で起業や事業拡大を考えている方には、事前に準備を整え、必要なことを把握しておくことが重要だと思います。書類手続きが多く、漢字が読めないと混乱しやすい部分もあります。ビザ申請、銀行口座の開設、賃貸契約など、どれも手続きが複雑なので、適切なサポートを受けることが重要です。その点でSSSは、これらの手順に関する詳細な指示やアドバイスを提供してくれて、とても役立ちました。同時に、現地の起業家、投資家、クリエイターなどとのネットワークづくりは有益ですが、時間がかかり、現地の慣習を理解する必要があります。要するに、十分な準備を整え、適切な手続きを理解し、支援サービスを活用することで、日本での起業をはるかに円滑に進めることができると思います。
Emanuelさん、日本におけるビジネスの経験について共有していただきありがとうございました!
スタートアップエコシステムや起業ビザにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。今後開催するイベントやセミナーはソーシャルメディアにて公開いたしますので、ぜひフォローをお願いいたします。
Shibuya Startup Support:https://shibuya-startup-support.jp/
Shibuya Startup Supportソーシャルメディアアカウント
LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/shibuya-startup-support/
Facebook:https://www.facebook.com/shibuya.startup.support
X(旧Twitter):http://twitter.com/ShibuyaStartup